2004年12月17日

平成16年 第4回定例会 一般質問

 仁成会の茅野理です。当選をさせていただきましてから、早一年が経ち、議会のみならず、地元での地域活動や行政視察、そして、新潟県中越地震における被災地でのボランティア活動など、様々な体験をし、見聞を広めることができました。まだまだ至らない点、多くありますが、諸先輩方からご指導を賜りながら、今後とも我孫子市における政治道に精進していきたいと思っています。
 それでは、大綱1点、教育行政について、質問させていただきます。なお、キ、千葉県教育功労者については今回、割愛をさせていただきます。
教育行政: 学校教育について、教育委員会のあり方について

1、学校教育について 
ア、子どもたちが安心して学べる環境の整備
 今年10月の台風23号による影響で、市内小中学校19校中、12校も雨漏りの被害が出ています。壁から漏水し、廊下のあちらこちらにある水たまりや、天井からバケツへぽたぽたと水滴が落ちる様子を見て、子どもたちはこのような環境で、学校生活を強いられていたのかと、愕然としてしまいました。学校施設は多くの子どもたちが、一日の大半を過ごす学習・生活の場であり、また、地域の方々にとって最も身近な公共施設であります。子どもたちにとっても地域にとっても、安全で豊かな環境を確保することは必要不可欠であります。
 当然ながら、地震発生時には、応急的な避難場所としての役割が求められます。子どもたちの尊い命を守るとともに、被災後の教育活動の早期再開を可能とするためにも、学校施設の耐震化を推進しなければなりません。第2期実施計画によりますと、本市は平成16年度から平成18年度まで、各年2校ずつ大規模改修事業を行うことになっております。しかし、現在のところ19校中4校しか実施されておりませんので、市内全学校施設の耐震化工事完了はきわめて遠い将来であるということになります。屋内運動場にいたっては、23棟中16棟も耐震基準を満たしておりません。文部科学省の来年度重点施策である耐震化優先度調査は、1棟10〜20万円程度の費用で行うことができるそうですが、この耐震化優先度調査を市内小学校の体育館に早急に取り入れ、各年2校ずつという実施計画の見直しや平成19年度以降の計画について、検討していただきたいと思います。見解をお示し下さい。
 本市は小中学校とも大規模改修事業として、耐震補強のほか、トイレ改修、屋上防水、外壁改修などを実施していますが、避難所としての機能をふまえるのは当然として、実施設計の段階から学校評議員、保護者や地域の方々を巻き込んで、学校づくりへの意見を求めてはいかがでしょうか。
 また、世田谷区ではトイレ改修の前に、学校長の発案で、児童たちにどのようなトイレが望ましいのかイメージを出してもらい、その中から学校にふさわしいトイレ像を選んで実現したそうです。児童が楽しく学校生活を送ることができるよう工夫した、すばらしい例だと思います。    
 開かれた学校づくりの実現のため、「校舎耐震補強等大規模改造工事に伴う実施設計」にパブリックコメントを導入することに関して、「学校・家庭・地域社会との連携・協力」を学校教育の重点としてあげている、本市の考えをお示し下さい。
 高齢の方や障害のある方などが円滑に利用できる特定建築物の建築を促進する法律、ハートビル法が平成15年度に改正され、学校施設も特定建築物に含まれることになりました。体に障害を持つ子どものみならず、学校開放によって校舎を利用される地域の高齢の方々を迎え入れることができるよう、市内全ての学校を整備する必要があると私は考えます。車椅子の児童には介助員が常時付き添って対応されていると聞き及んでいますが、ノーマライゼーションの考え方について、学校ではどのように取り組まれているのか、各校の具体的な取り組みをお示し下さい。また、階段昇降機やエレベーターの設置状況、今後の設置計画について、お答え下さい。
 次に、子どもたちの登下校時の安全対策について、お伺いいたします。全国的に子どもを狙った連れ去りや通り魔事件が頻発し、我孫子市少年センターのホームページを見ても、市内各地や近隣での連れ去り未遂事件など不審者情報が、数多く寄せられています。また、毎月発行されている少年センターだより「けやき」にも不審者情報が掲載されていますが、これらの情報を防犯対策に活かしきれているのか私は疑問を持っています。電子メールなどを活用し防犯情報を共有する、総務省のモデル事業がこの12月から試行されますし、既に荒川区や世田谷区などでは、保護者の携帯電話メールへ瞬時に情報提供する取り組みが進んでいます。不審者などの情報を契機に保護者のみならず地域の方々が、周囲の環境や生活習慣を見直し、大人と子どもが一緒になって防犯について考え行動することが大切であると私は考えます。そこで、不審者が子どもを車に連れ込もうとする事件を想定したビデオを教育委員会で製作し、学校でそのビデオを見せ、大声を上げる、通りかかった人に助けを求める、車の進行方向とは逆に逃げるなどの具体的対応策を、啓発するのではなく、まずは子ども自身に考えさせてはいかがでしょうか。子どもたちが考えた意見を踏まえ、教職員や保護者がフォローをし、その結果を地域にも広報して協力を求めていく、という防犯のシステムを構築すべきであると思いますが、見解をお示し下さい。
 次に、これは定例教育委員会においても話題になっておりましたが、事件発生後ただちに、防災行政無線を使用し、不審者等に関する情報をグループ放送することが有効であると思われます。このことを我孫子市防災行政無線局運用細則第2条、緊急放送の放送事項に新たに規定し、連れ去り未遂事件などを地域に周知するため、防災行政無線を活用してはいかがでしょうか。お答え下さい。
 本市では、7月より白黒のボディーカラーで青色回転灯を装備した生活安全パトロール車が導入されましたが、現在のところ、登下校時に合わせて運行したり学校へ乗り入れたりするなどの策が取られておりません。市は、生活安全パトロール車を登下校時や学校近辺の防犯パトロールへも活用できるよう検討をしているとのことですが、教育委員会として要請するなど今後の対応についてお聞かせ下さい。また、教職員や保護者の危機意識を高めるためにも、教育委員会の職員の方が、学校訪問する際に生活安全パトロール車を使用されてはいかがでしょうか。以上、安全対策についてお答え下さい。

イ、基礎学力向上
 先週の12月7日、経済協力開発機構(OECD)が国際学習到達度調査の結果を世界同時発表しました。マスコミ報道にあったように、もはや日本の子どもたちの学力は世界のトップレベルにあるとはいえなくなったと文部科学省は認識を示し、来夏までに読解力向上のためのプログラムを策定するとのことです。書かれた文章を理解し、知識を高め、社会生活に活かす能力である読解力は、全ての教科において基礎となるものだと私は思います。本市においては、朝の読書指導や学校ボランティアを活用した読み聞かせ、テーマに沿って子ども自身が調べたりまとめたりする「調べ学習」など、子どもの活字離れに対する取り組みを行っている学校もあります。この「調べ学習」は、活字に触れつつ考えるため、探究心や表現力の向上につながりますし、社会に出てからも必要な能力であります。従って、袖ヶ浦市では市を挙げてこの「調べ学習」に取り組み、図書資料の充実やIT化導入など、学校図書館の整備を進めたそうです。平成15年度より義務づけられた司書教諭が常駐できていない問題点や、本市では、平成5年に文部科学省が定めた蔵書冊数の基準である学校図書館図書標準ですら、いまだに満たすことができていない学校があり、児童・生徒にとって図書館よりも身近である学校図書館の環境が整っていない状態であるといえます。
 基礎学力向上のためにも、環境を整えることを優先すべきだと考えますが、全ての学校が学校図書館図書標準を満たすようになる年度目標をお示し下さい。また、一生必要な技術である「調べ学習」の取り組み状況、指導法の確立について、お答え下さい。 
 札幌市でのボランティアによる学校図書館の運営方式は、人のいる温かい図書館、使いやすい図書館を実現し、いじめの防止効果ももたらしたそうですが、学校図書館の運営に対する本市の見解をお示し下さい。
 「生きる力」を育む取り組みのひとつとして位置付けられた「総合的な学習の時間」の本格的実施以降、各学校において「ゆとり教育」の中でそれぞれ特色を持たせ、様々な授業の展開をしてきたことと思います。知の総合化の意識を持ち、他教科との関係を明確にする必要があると思いますが、「総合的な学習の時間」において、体験活動のみを追求するのではなく、学力向上を柱にすえた具体的手立てをとっている学校例があるのか、お答え下さい。
 また、現在、TT、少人数学習など、多様な学習形態が導入されています。その中の習熟度別指導についてお伺いいたします。ある大学院教授の著書に、習熟度別指導は丁寧に教える・教えられるという手ごたえを感じるが、それは学習内容のレベルを下げて時間をかけているからだとの説が書かれておりました。本市においても、学校現場の意見を集約し、習熟度別指導が学力向上に本当に成果があるのか実践的な検討をすべきだと思います。現在の取り組み状況や成果、今後の課題等、お示し下さい。

ウ、特色ある学校づくり
 近年の大きな社会変化の渦中においては、各学校が児童・生徒や地域の実態などを十分に踏まえ、教育委員会のバックアップのもと、創意工夫を活かした特色ある学校づくりを推進すべきであると考えます。先日参加したフォーラムにおいて、学校長の積極的な学校運営が、子どもの学力向上に起因しているとの調査結果の報告がありました。また、学校現場におけるイニシアティブ促進のため、学校管理規則の大綱化・弾力化を図り、学校長裁量経費を拡大することについて、中央教育審議会でも検討されています。
 そこで、特色ある学校づくりの推進にあたり、学校の企画・提案に基づいた予算の配分や、総枠内で予算の使途を学校長に委ねる裁量的経費の措置など、裁量の拡大をさらに進めるべきだと考えますが、見解をお示し下さい。本市において、この特色ある学校づくりをどのように推し進めようとしているのか、各学校の研究テーマに対し、教育委員会としてこれまでどのような支援策を取ってきたのか、お答え下さい。 

エ、手賀沼・ふるとね沼を素材にした学習
 我孫子市のシンボルともいえる手賀沼、オオバンあびこ市民債発行で注目を集め、用地取得したふるとね沼、これらは、我孫子市ならではの特性を大いに発揮できる、自然が与えた教室といっても良いと思います。私自身、幼いころ友人たちとふるとね沼付近で遊んだことは、大切な思い出のひとつとして残っており、それら自然と触れ合った思い出が、今の私の我孫子市に対する郷土愛につながっていると確信しています。基本計画にあるように、子どもたちが郷土に愛着と誇りを持ち、心豊かに育つためには、学校教育においても手賀沼、ふるとね沼、あるいは利根川に触れ、学ばせることが重要であると思います。
 手賀沼やふるとね沼での自然体験の充実を図り、そして、生活科、理科、社会科、国語科などあらゆる教科でも活用することができるよう、コーディネーター等の体制を整えるべきだと考えますが、いかがでしょうか。 また、社会教育や生涯学習として行われている手賀沼等に関する事業を、学校教育の中にも位置付け、手賀沼課職員の方々などを環境学習の専門家として学校で受け入れるなど、手賀沼・ふるとね沼をもっと学習の場に利用されてはいかがでしょうか。見解をお示し下さい。
 次に、学習図鑑「ふるさと手賀沼」についてお伺いいたします。この教材は、小学校5年生から中学校3年生まで使用されておりますが、学年ごとの履修目的や活用方法、今年度における改定内容についてお答え下さい。

オ、新潟県中越地震について
 今定例会において、新潟県中越地震に関連し防災について多くの方が質問されておりました。私も、10月31日から11月4日までの新潟県の避難所等でのボランティア活動や、現地での行政運営を学んできたことを通し、本市における地域防災計画や、防災への取り組みについて、細部にわたる見直しや更なる改善を切に望みます。関係職員の方々には、誰もが安心して生活できる我孫子市をつくるため、市民の方々と協働でこの教訓を活かしていただきたいと思います。
 さて岐阜県には、総合的な学習の時間を使い、「防災プロジェクト」に取り組んでいる小学校があるそうです。子どもしか家にいないときに地震があったらどうすればいいのかなど、思い思いにテーマを決め、地震の専門家や 阪神淡路大震災の被災された方々から話を聞くなど取材を進めているとのことです。この防災プロジェクトを通じて、情報を分析する力、判断・理解する力、迅速に行動する力を児童に身につけさせることができますし、シナリオ通りに進められるこれまでの避難訓練とは違い、地震が起こったら自分たちの周りはどうなるのかを想像する力も養われます。我孫子市内の小学校3年生のクラスでは、「いつ震災が起き、不自由な生活が強いられるか分からない、普段の生活はとても恵まれているんだよ」と先生が話をされ、その後から全員が給食を残さず食べるようになった、との教育実践例を聞きました。
 このように、新潟県中越地震の様々な教訓を、学校教育の中で子どもたちに学ばせることは、とても有意義であると思いますが、被災地に派遣した職員の方や市に登録している防災ボランティアの方の活用を含め、心の教育としてのこれまでの取り組みと今後の見解をお聞かせ下さい。また、募金活動等、子どもたちが被災者のためにどのような活動を行ったのか、各校の活動状況をお聞かせ下さい。さらに、子どもたちが頑張った結果を私たち市民に広報するという観点からも、市内全小中学校における被災地への義援金の総額を、お知らせしていただきたいと思います。

カ、教科書制度の改善
 平成14年8月に「教科書制度の改善について」という文部科学省初等中等教育局長通知が出されました。6市1町の教育長、教育委員、学校長、教職員、保護者など29名で構成される教科用図書東葛飾地区採択協議会が、教科書の選定作業を行っていますが、採択権限は 各市町の教育委員会にあります。そのために、採択地区協議会と各教育委員会とで、責任の所在が曖昧で、関係が不明確であるなどの指摘があります。そこで、文部科学省通知にもありますように、本市としての教科書採択の方針等を予め決めておく必要があるかと思われますし、採択地区協議会と各教育委員会との関係の明確化について取り組む必要があります。見解をお示し下さい。
 平成16年6月の千葉県議会において、採択地区の細分化の請願が採択されました。また、10月、11月の両我孫子市定例教育委員会においても採択地区の見直しについての請願が提出されました。これは我孫子市教育委員会だけの問題ではありませんが、児童・生徒への影響を第一に、教職員が教育に専念できる環境整備や保護者の意見などを十分にふまえたうえで、東京都や神奈川県などの近年の採択地区小規模化の傾向について、本市の見解をお示し下さい。
 4年毎の教科書検定の時期になると特に感じますが、教科書や教科書採択に対する関心は非常に高く、また、教職員や児童・生徒にとって、他の種類の教科書を閲覧し研究することは、有意義であると思います。「各教育委員会は、今後、各学校の図書館や公立図書館に多数の教科書を整備していくよう努めていくことが必要である」と文部科学省通知にありますが、本市の取り組みについてお聞かせ下さい。

キ、千葉県教育功労者について −今回は割愛しました−

2、教育委員会の在り方について
ア、教育委員会の役割
 現在、中央教育審議会では、教育委員会制度改革が活発に議論されております。教育委員会は、地方自治法の必置機関でありますが、埼玉県志木市では構造改革特区として教育委員会を廃止し、審議会方式で民意を吸い上げようという試みが提案されました。財政支出を伴う施策は、教育委員会に財政的な権限がないため、教育委員会が独立して企画・実施することはできません。また、教育は中立公正であることが求められることから、これまでのように市長から独立した合議制の執行機関で対応することが必要であると私は考えます。
 しかし、これまで以上に、教育委員会が「我孫子の教育」で示した教育ビジョンや、財政的に学校を支援する機能などを十分に発揮できるよう、学校などの教育現場の声を聞くことがとても大事であります。そして、多様化・複雑化する教育ニーズに即した、予算の要求・獲得を確実に行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。平成14年度以降、我孫子市一般会計に占める教育費総額の割合が、わずか平均12.53%であることをふまえて、お答え下さい。

イ、市長と教育委員会との関係
 教育行政には、社会教育と生涯学習など 教育委員会だけでは処理できない、市長部局との二元的管理となっている行政横断的な課題が多くあります。市長部局から独立して意思決定を行う必要があるものは何かを明確するため、協議会を定期的に開催するなど、市長と教育委員会が連携していくことがますます重要であるとの指摘があります。 
 当然ながら、学校教育については中立性、継続性、安定性を確保するよう、教育委員会での制度を確立すべきであります。また、市長部局が教育委員会の独自性を尊重するとともに、生涯学習における公の施設の効果的・効率的な活用など、各機関が一体となって教育行政を展開していくことが適当であると思います。本市では、中教審において検討されている、市長部局との権限分担の弾力化について、どのように考えているのかお答え下さい。

 以上、教育行政について、予算充実の願いを込めまして、提言と質問をさせていただきました。明快なるご答弁をよろしくお願いいたします。
posted by 我孫子市議会議員 ちの理 at 00:00| 一般質問 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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